京都建築大学校【KASD】ってどんなところ?

どんな学校なの?卒業生が全部教えます!

資格がないと仕事ができないの?

 

学生さんが持っている資格に対するイメージ。

色々あると思いますが、ざっとこんなものでしょうか。

 

建築士の資格がないと責任のある設計をさせてもらえないのでは?

建築士の資格があれば就職に有利なはず!

資格手当があるから初任給もちょっと高いかな〜

学生の間に資格を取れば仕事に集中できる

二級建築士を持ってると知識があるってお客さんに信用してもらえる!

 

 

などなど…

 

いろんなイメージがありますが、

実はそんなこともなかったりするんです。

 

 

世の中で建設業に従事する人は無資格の人の方が多いんです。

この業界は常に人手不足。

有能な人材がいてもそれだけでは仕事は回りません。

そんなとき人員を補填しようとすれば資格など言ってられませんよね。

 

資格がなくても立派に設計されている方もいます。

学生の方にはイメージがつきにくいことと思いますので説明しますね。

 

例えば地方の住宅会社に設計職として就職したとします。

会社には管理建築士と言って社内の設計士たちを取りまとめて責任を取る立場の存在がいます。

この人の責任で、この人の名前で確認申請という家を建てるための書類を作り提出します。

管理建築士の名前で出すのに書類を作っているのは自分です。

これは実務経験としては設計補助として扱われるものの、立派な設計活動に値します。

自分がお客さんの設計図を書いて現場を監理する…

監理建築士の人ではなく自分が担当していても、こういったことは日常的に行われているのです。

 

新入社員として入社してすぐ家の設計ができる=確認申請を一人で下ろせる訳ではありません。

それは二級建築士の資格を持っているKASDの卒業生も、持っていない他大学出身の同期も同じ。

他人の責任で他人の名前で設計活動を行うので、資格がなくても仕事ができないということはありません。

 

やはり昇進や独立にあたり資格が必要な場面に遭遇します。

仕事をすることに直結するのはこういった場合くらいなのではないでしょうか。

 

 

 

建築部について教えてください。

以前部活やサークルについて書きました。

 

about-kasd.hatenablog.com

 

なかでも京都建築大学校ならではの部活、KASD建築部について興味を持たれている方も多いことでしょう。

 

建築部ってどんな部活?

何をやっているのかな?

入るとメリットはあるのか、

忙しい部活なのだろうか、など…

 

 

私は建築部ではなかったため実態は詳しく知りませんが、知人から聞いた情報を頼りに書いていきます。

 

まず一番参考になるであろう情報はこちら。

twitter.com

 

KASD建築部には公式Twitterが存在します。

KASD生へ向けて講演会やコンペの情報を発信しているようです。

おそらく現役の部員がつぶやいているものと思われます。

顧問は自身のゼミも持つ杏(きょう)先生です。

 

建築部自体は本科の1,2回生が所属し運営していますが、

OBである3,4回生とかなり強い癒着があると感じました。

かつてもOBの卒業設計や課題を建築部の後輩たちが手伝っていました。

いい経験にはなりますが無償でこき使われると感じる部員もきっといるはずです。

 

コンペの応募なども積極的に行なっていて、授業のプラスαの活動を意欲の高い部員と活動しているという印象を受けました。

 

主な活動として一番力を入れているのは「スケッチ展」だと思います。

毎年杏先生の指導のもと夏頃に京都伝統工芸館で開催しています。

存在する建物をスケッチする力を養います。

授業でも行いますがここまでの数は書きません。

腕を上げたい人にはいい機会になるのではないでしょうか。

 

このスケッチ展は杏ゼミや川北ゼミの生徒も参加するので、

その作品展示の会場設営なども建築部が行なっているそうです。

 

 

建築部として有益な活動は確かにありますが、それが就職活動に直接的に有利になるとは言い難いですね。

そこまでの濃い内容ではない気がしました。

KASDは先輩後輩の繋がりを持ちにくい環境のため、いろんな情報や経験を求めて所属するにはとてもいいと思います。

学生の割合と同じくほとんどが男子生徒ですので、あまりキラキラした感じはありません。

建築が好きな人や模型制作など自分の武器を作りたい人には有意義な場所になりうるでしょう。

 

 

一級建築士の合格率はどれくらい?

 

このような疑問は学校選び中の高校生だけでなく、実は在学中の生徒にも浮かぶことです。

かなりよく聞かれます。

でもごめんなさい、分からないんです。

 

実は学校も把握できていないのです。

どうして!?と思われますよね。

 

これには理由があります。

それはKASDならではのシステムが関係しています。

 

 

以前も記事に書いた内容になりますが、一級建築士の受験資格を得るには建築学科卒業で実務経験2年、建築科卒業で実務経験4年が必要です。

また二級建築士を取得している者は学歴にかかわらず実務経験4年が必要になります。

建築学科を卒業し最短の実務経験2年で受験しようと思うと、どうしても学歴として京都建築大学校の名前を記入しないといけません。

建築科卒業の者は実務経験を4年積めば学歴受けても、二級建築士の免許番号で受けてもどちらでもいいわけです。

学歴は卒業証明書が必要になるなど手間もお金もかかるので、ほとんどの方が二級建築士の免許番号で受験しています。

 

このように二級建築士+実務4年で受けると出身校が特定できず、学校側も名前でしか把握することができません。

膨大な数であるうえに女性は名前が変わっていることもしばしばですから、尚更確認がしづらくなります。

 

受験した数が把握できないので合格者が分かっても合格率は出せないのです。

これが分からない理由です。

 

感覚としては最年少でストレート合格するのは学年で1,2人です。

学科も難しいですが製図は狭き門です。

何度か製図試験に挑み合格する方はそれなりにいらっしゃいます。

合格率は1割ですのでおおよそこちらを参考にされるとよいかと思います。

 

一級建築士はKASDで勉強すれば取得できるものではありません。

他の大学も然り、資格学校で対策し受験することになります。

詳しい合格率は各資格学校の合格実績をご覧くださいね。

一級建築士の対策もしてくれるの?

京都建築大学校の売りは在学中に唯一二級建築士の資格が取れることです。

 

では更に難易度が高いという一級建築士のサポートはあるのでしょうか?

最新の情報は分かりかねますが、私の時代がどうだったかをお伝えしますね。

 

一級建築士二級建築士よりはるかに難しく、合格率は1割程度の超難関資格ということは皆様もご存知のことと思います。

まず一級建築士の対策講座といって二級建築士のような手厚い講義はありませんでした。

そういった手厚い講義は、学校と提携している総合資格学院さん等の資格学校に別途お金を払って働きながら受講します。

二級建築士の試験が終わったら総合資格学院さんから特別価格で一級建築士の対策講座の勧誘がきていました。

学生のうちから始めた方がいいよと誘われて100万円近くのローンを組む学生もいます。

在学中から一級建築士の対策を行いたい方はこの方法が一般的です。

 

では学校案内の一級建築士対策講座とはなんなのか?

 

これには私も期待はずれでした。

一級建築士の対策講座を受けられるのは建築学科(転学を含む)でかつ二級建築士とインテリアプランナーのどちらにも合格している者(当時は20名程度)しか受ける権利がありませんでした。

どんな対策かと言うと学科ではなく製図の方で、過去問の模範解答を模写するという授業が片手で数えられる程度あるだけで、全く身にならないものでした。

大した添削もないので縮尺をイメージしたり小論文を書いたりして"今の自分では到底敵わないレベルの試験であることを自覚しスピードを上げる努力をするように"といった教えを頂く授業だったとよく覚えています。

 

 

ただし少し前に一級建築士の資格制度自体を見直す検討がなされているという話を聞きましたので、これから先その試験制度に対応するのならばKASDは根幹からひっくり返ってしまいます。

実務は後で積むとして一級建築士を学生でも受けられるようになる今回の改変が行われれば、どこの大学でも一級建築士の学科が取れるようになってしまいます。

そうなってしまうと二級建築士の在学中合格は意味をなさなくなります。

この辺りの時代の流れを学校側がどのように見据えているのか、オープンキャンパスで生徒ではなく教員にしっかりと確認するようにしてください。

 

 

オープンキャンパスなどで学生に聞いてもこのような先の話は誰も知りませんし、現状の一級建築士の対策についてさえ学年のひと握りしか受けたことがないという状況ですので的確な答えを得ることは難しいでしょう。

 

 

他大学も資格学校と組んで卒業後の一級建築士対策講座の受講料を割引する制度が整っているので、KASDが得とは限りません。

またKASDの優秀な生徒はもちろん、名門大学の優秀な生徒でさえ一発ではほとんど通らない試験になります。

毎年KASDの卒業生は20~30人程度合格しているのではないかと思われますが、学年で見ると多くてせいぜい3人くらいだと思います。

 

多くの卒業生が早く一級建築士をとろうと頑張ってはいますが、なかなか受からなかったり仕事が忙しくて余裕がなかったり、はたまた金銭的な理由や自分の仕事の規模により、そこまで必要がないと判断して二級のまま過ごされている方の方が割合としては高いと感じています。

落ちるたび受講料100万円を払っているとなんのために働いているのか分からなくなってきますので、ここで諦めざるを得なくなってきます。

 

会社にもよりますが一級建築士の資格手当か貰えたり、お祝い金や資格補助などの支援がある場合は活用してお得に受けることもできます。

 

 

結局のところ一級建築士の資格はよく例えられる足の裏の米粒のようなものです。

自分の懐事情や出世、設計したいものの規模によって各自判断されるのがよいでしょう。

 

放送大学では何を学ぶの?

"ダブルスクーリング"

 

この言葉の印象は、

学校を二つ掛け持ちするのかな?

なんだか忙しそうだな~

学費も高くなりそうだし…

 

そんなイメージを持たれるのではないでしょうか。

 

 

学校を二つ掛け持ちするのは本当です。

学生証も二枚あります。

放送大学という通信制の大学の講義を京都建築大学校の校舎で受けるので、通うキャンパスは一つです。

 

気になるのはその内容…

京都建築大学校という専門学校で、大卒を得るために必要な単位を放送大学の講義を受けることで取得できるわけです。

KASDは建築に関することを学びます。

 

他の大学にあってKASDにはないのに大卒資格が得られるものがなんだか分かりますか?

それは一般教養です。

一般教養とはどんな大学にも存在する、自分の専攻には全く関係ないのに単位を取らなければならない講義のこと。

内容は科学や地域学、歴史、看護分野など本当に多岐にわたります。

大学とは違い受講する講義を自分で選ぶことはできません。

予めカリキュラムを組まれた講義の中から指定の単位が取れればよいので、必要単位分の科目で点数をとれたらいくつかは不合格の点数でもOKという感じです。

 

建築に関係のない科目がほとんどですので、皆全く興味がありません。

大学なら教壇に先生が立って講義をしてくれますが、放送大学の講義はすべて録画されているDVDを見るだけです。

先生や職員の方がいるときは出席を取っているときです。

 

そしてやはり映像見るだけでは単位はもらえませんので、中間試験と期末試験なね通らねばなりません。

中間試験は教科書を持ち込めるのでただひたすら調べて解答すればほぼ受かります。

中間試験に通れば期末試験を受けることができます。

期末試験は教科書を持ち込める科目と持ち込めない科目があり、難易度もまちまちです。

持ち込めるものでも小論文を書くような内容なら役に立たないんです。

基本的に全科目過去問や予想問題が配られるのでそれに沿って試験勉強をします。

全く役に立たない科目もありましたが、単位を取るためだけの目的なのでそのような科目は捨てて他の取れそうな科目で頑張っていました。

 

 

残念ながら一般教養の内容が今の生活や就職に役に立ったことはひとつもありませんでした…

これは大卒のためと割り切っていきましょう。

 

 

KASDにただ4年通っても一般教養の単位が取れていなければ大卒にはなりませんので注意してくださいね。

KASDの単位は満たされているけれど放送大学の単位が足りず大卒にならないままKASDを卒業してしまう生徒が毎年必ずいるんです。

そうならないように一般教養を後回しにせず、4年の前期で取りきれるようにしましょう!

国公立の方が業界的に有利なの?

質問箱を設置してからさまざまなご質問を頂きました!

どんなことが知りたいのか、何が不安なのかが少し分かってきました。

 

今回から頂いたご質問の内容から推測し、進路に悩む皆様にお答えしてまいります。

 

 

以前私は京都建築大学校と国公立なら後者を選んだ方がいいと記載していました。

でもKASDで学んだことに後悔はありません。

ただこの記載については、私の単なるないものねだりなのかもしれません。

一個人の意見として記事を書いていますので、あくまで参考として「こんな考えの卒業生もいるんだな」というふうに流し読んで頂きたいのです。

 

詳しくお話します。

 

まず現実的な問題からまいりましょう。

国公立と私立の4年制専門学校では学費に大きな差が出ます。

学費を支払うのが保護者でも学生本人でも、安い方が助かるに違いありません。

こちらはご家庭でご相談頂く話ですので、ご家族の理解と協力が得られるのならこの質問の論点ではありませんね。

 

 

では実際に卒業してみて感じた大きな差はなんでしょうか?

それは学習意欲と処理能力です。

私は圧倒的な差を感じました。

 

KASDは人数は多いですが、専門学校にも関わらず「受かったからとりあえず入学した」「大学が全滅で気付けばここしか受験できなかった」「資格があれば将来安泰かと思った」など、建築を学びたい気持ち(モチベーション)が高くない生徒も一定数います。

大学にそういった動機の生徒がいないとは言えませんが、大学入試という一定レベルの篩をクリアした人が集まっているので、学力的に高いと言えるのは間違いないですね。

 

 

ここでこの二つを比べる時に、比べる対象として正しいかの判断が必要という話をします。

大学とKASDには学生生活の目的が異なります。

 

国公立に限らず大学は建築という分野で将来生きる基礎知識やデザインを学びます。

大多数が大学院へ進み有名アトリエ設計事務所や大手のゼネコンで大きな建築をつくることを目的としていると思います。

(もちろん個人によります)

つくるという言葉に惑わされないでほしいのですが、これは現場で細かく指示を出したり実際に施工したりする意味ではなくその前段階の計画から行うというニュアンスで捉えてください。

 

一方KASDは二級建築士やインテリアプランナーといった資格を取り就職に有利にすることが目的です。

デザインや計画よりも資格取得がメインです。

裏を返せば実際社会に出ればこの業界の大多数を占める「資格があってもデザインできない」という人材が生まれる可能性があります。

資格は学生のときに取っておけばアドバンテージになりますし、社会人になりたての頃ははとても楽です。

他の同期が二級建築士の勉強に追われる中自分は仕事に集中できます。

でもその余裕は同期が資格を取得すればなんの差もなくなり、むしろデザインを学んできた相手に追い抜かれてしまいます。

 

結論を言えば、大卒での就職に関してはKASDで資格を取っていることで有利に働くこともあります。

ただし働かないことがあるのも事実です。

 

資格は就職してからでも取れます。

でも社会人になってデザインなどを教えて貰える環境はほとんどありません。

自分で積み重ねていくにも学生の頃の過ごし方で大きく変わってくるのではないでしょうか。

 

大学は学力の篩があるぶん学生のうちにデザインに集中させ、資格については学校のサポートがなくても当たり前に受験し合格するというスタンスだと感じています。

 

 

私のないものねだりの話に戻ります。

私は文系だったため、建築に進むにはこの方法しかありませんでした。

もし理系で学力もあったとしたら、きっとたくさんの選択肢が広がりデザインを学ぶことができたかもしれないなと今でも思います。

 

かつては私もデザインよりまずは資格と思い他の大学と比較することはありませんでしたが、自分のデザイン力やプレゼン力が成長していないと感じたことでこのように思うようになったのです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

皆様の疑問に少しでも寄り添えますように…

 

 

バイトはできますか?

専門学校は大学より忙しそう…

その中で時間を作ってバイトはできるのか?

結論は、できます。

1,2回生は時間割通りでそれ以上の活動はほとんどないので、バイトのシフトは組みやすいでしょう。

3,4回生は講義が多い人は難しいかもしれませんね。

 

高校ではバイト禁止の所もあるので、

大学生でバイトデビューという人も少なくないはず。

お住まいの地域によって働きやすさは変わりますので、いろんなパターンを見ていきましょう。

 

 

ではまず園部に下宿している方向けで説明します。

学校の掲示板にバイトの募集が来るのでまずはこちらをチェックしましょう。

園部町内か隣町という立地ばかりです。

自転車だけでは通えない辺鄙な場所の求人もあるので、そういったものはバイクや車がある方向けか送迎がついていたと思います。

ここに来る求人は先輩たちも働いているので、シフトが学業に影響しにくく融通も利きます。

 

例えば園部町内にはコンビニや小さな飲食店の他に、お菓子メーカーの工場やゴルフ場などがありますよ。

 

また学校への募集はなくても歯医者さんや本屋さん、ドラッグストアやスーパー、パチンコ屋など各店舗で求人が出ている場合もあるのでまずは町を回ってみると良いでしょう。

 

園部町内ではなく亀岡市内に行けば温泉街での布団敷やファーストフード、宅配業者、ケーキ屋さんなどいろいろあります。

足があればいろいろ可能です。

 

 

では近郊から通勤されている方はどうでしょう。

ほとんどの方がバイトしていましたね。

高校生の時からやっていると、融通も効きますしやりやすいです。

大学と違って5時頃に講義が終わるので、カラオケや居酒屋、夜メインの飲食店、映画館が人気ですね。

土日のみでしたらアミューズメント施設やアパレルなども可能ですが、2回生は資格試験で土日が潰れることがあるので注意が必要です。

 

 

 

まとめますと、バイトは可能です!

ガッツリ稼ぎたいとなると難しいかもしれませんが、遊びに使うお金の足しにはなりますよ。

 

京都ならではのレアバイトも探してみてはいかがですか?